オプション取引口座のチェックポイント


1.オプションの買建、売建の両方ができること

一部の証券会社では、オプションの買建はできても新規の売建はできないという制限があります。

オプション道場の「オプション取引入門」でも解説していますが、オプションの売りは潜在的に無限の損失リスクがあるのは確かです。
しかし、売りが有利となる状況が存在するのも事実です。  売りと買いを組み合わせて有利なポジションを作ったり、ボラティリティが高いときに売ることや、横ばいの相場で利益を上げるといった取引です。

これらが全く出来ないことは、オプションの売買戦略に制限が設けられていることに等しく、非常に不利な条件で取引を行うことになります。

最近では、このような「買建専用口座」を採用している証券会社はほとんど無くなりましたが、オプションの買建しかできないネット証券はまず候補から外したほうが良いでしょう。

2.オプション取引の手数料が安いこと

手数料は、オプションを売買する度に証券会社に支払うお金です。 当然、少しでも安い方が良いです。
株の現物取引の手数料は安いけど、オプションの手数料は安くない、という会社もあるので注意が必要です。

オプション手数料の水準は年々安くなってきていますが、最低手数料が200円前後、および売買代金の0.2%以内の手数料であれば、かなり安いのでおすすめできます。
また、同一のオプションを1日に複数回売買した場合、手数料が割引となる会社もあります。 このような「特別割引」の有無もチェックしておくと良いでしょう。

3.逆指値注文が出来ること

オプション取引では意外に見落とされているポイントです。
ここで、逆指値注文について簡単に説明したいと思います。

逆指値は株の注文などでは良く使われる方法で、「株価が指定の価格まで上昇したら買い」、「指定の価格まで下落したら売り」とする注文形態のことです。

逆指値注文

逆指値注文は、株価の上昇局面で買う「上昇買い」や、所有する株の損失額をあらかじめ限定する「ストップロス」などの目的で利用されます。

リスク管理において重要な役割を果たすストップロスは、オプション取引にも活用できます。
たとえば、5万円のプレミアムでオプションを売り、損失額を2万円までとしたい 場合があるとすると、「7万円で買戻し」という逆指値注文を入れておけば良い わけです。 (売りの場合、「上がったら買い戻し」というのがストップロスに なります。)
逆に、5万円のプレミアムでオプションを買い、損失額を2万円までとしたい場合は、 「3万円まで下がったら売り」という逆指値注文となります。

ただし、オプションのプレミアムはときに急激に変動するため、必ずしも逆指値の価格で売買できるわけではありません。 しかし、オプションの売りにおける潜在的なリスクを考えると、逆指値があるか無いかでは大きな違いがあります。

4.必要証拠金が妥当であること

証拠金というのは、オプションを新規で売るときに要求されるお金のことです。  (参考:オプション取引口座の仕組み

オプションを売るために必要とされる証拠金額は、証券会社によってまちまちです。
必要とされる証拠金があまりにも少ないと、「この会社は投資家のリスクを考慮してるんだろうか?」という疑問が沸きますし、逆に高すぎる証拠金は資金効率の悪化を招きます。

オプションの証拠金計算は、現在「SPAN」と呼ばれる方式がグローバル・スタンダードとなっています。
SPANは米国のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)によって開発されたシステムで、リスクを元にして必要な証拠金を割り出すという特徴を持ちます。

SPAN証拠金の計算は取引全体に対して行われます。
たとえば、1つの売りポジションに対して、そのリスクを軽減するような他の買いポジションがあるとします。 この場合、ポジション全体としての必要証拠金は、単独の売りポジションよりも低くなるという特徴があります。
オプションの売りに対してリスクが無いと判断されれば、必要証拠金がゼロになることもあります。

日経225オプションが取引されている大阪証券取引所でも、このSPAN方式が使われています。
証券会社は、取引所が定めるSPAN証拠金を下回らないように、取引に必要な金額を規定しています。
一般的なのは、SPAN証拠金の1.2倍から1.4倍程度を必要証拠金にするというものです。
オプショントレードをするなら、なるべく低い倍率のSPAN証拠金方式を採用しており、なおかつ最低証拠金がゼロの会社を選ぶことをおすすめします。

5.サポートが良いこと

最後になりましたが、実は1番重要かもしれないポイントです。

サポート用のフリーダイヤルがあって、メールの質問にもきちんと回答してくれる証券会社を選ぶべきです。

オプション取引のサポートが充実していれば、初めてでも安心して取引を行うことができます。
株取引のサポートは良いけど、オプションについてはあまり詳しい担当者がいない… という会社もあるので注意が必要です。 (とは言っても、こればかりは実際に口座を作ってみるまでは分からない部分です)

■ 口座を作るだけならタダ。 維持費も掛からない

以上の5つのポイントを全て満たしている証券会社が理想ですが、口座開設をしても取引さえしなければお金は全く掛かりません。
いくつかの証券会社に口座を作って、使いやすさを比べてみるのも一つの方法です。

「自分で探す手間がめんどくさい」という方のために、手数料や取引環境の面で充実している“オススメ証券会社”も紹介しています。 あなたの証券会社選びの参考になれば幸いです。