原油相場、オプション市場では下落予想が優勢

原油相場の下落傾向が止まらず、指標となるWTI原油先物は35~40ドル近辺で推移しています。 原油相場の先行きについて、オプション市場はどのように見ているのでしょうか?

CMEグループの建玉データによると、2016年12月限の原油先物オプションの中で最も建玉が多いのは、権利行使価格30ドルのプット・オプションとなっています。 このことは、一年後に原油相場が30ドルを下回ると予想しているトレーダーが多いことを意味します。

加えて、原油先物オプションの中で最も活発に取引されている20銘柄のうち、コールはわずか4種にとどまり、プットが上位の16種を占めています。 このことからも、相場の反転より、さらなる下落を予想しているトレーダーが多いことが見て取れます。

実際には、先物のロング(買い)に対するヘッジとしてプットが買われるケースもあり、プットの増加が必ずしもトレーダーの弱気姿勢を反映しているとは限りません。 また、あらゆる買いの反対側には売りが存在するため、権利行使価格30ドルのプットを売っているトレーダーも同じ数だけ存在します。

ただ、閑散としたコールの売買状況が示唆しているのは、「さらなる下落が起こらなかったとしても、当分の間は大きな上昇も期待できない」という市場のコンセンサスです。 果たして、オプション市場の予測は当たるでしょうか?

参照: ブルームバーグ