おすすめ書籍

トレードや投資に役立つ書籍情報。
電子書籍のリンク(日本語版が無いものは原著版)も合わせてご紹介しています。
  1. オプショントレーダーにおすすめの書籍
  2. 投資全般に役立つ書籍

<オプショントレーダーにおすすめの書籍>


伝説のトレーダーから学ぶ心構え

欲望と幻想の市場

おすすめ度 ★★★★★

原著のタイトルは『ある株式相場師の追想 (Reminiscences of a Stock Operator)』。 作家の村上龍氏によってオシャレな邦題を付けられてしまった本書ですが、タイトル以外は満点の内容です。

80年以上も前に書かれた本にも関わらず、今でもトップレベルのトレーダーの多くが「必ず読むべき本」として推薦しています。

ジェシー・リバモアという人物について、知っている人には多くを語る必要はないでしょう。
知らない人にとっては本書がまさにうってつけであるため、ここで詳しく書くのはやめておきます。

この本の素晴らしいところは、トレーダーの心理について非常に生々しく語られている点です。
それもただのトレーダーではなく、伝説のトレーダーがどんなことを考えながら取引していたのかを知ることができるのです。

現在のマーケットはリバモアが活躍していた時代とは比較にならないほど大きくなりましたが、そこで取引している人間の心理や行動パターンは驚くほど変わっていません。 それはつまり、トレードで成功するために必要な「心構え」も当時と全く変わらないことを意味します。
これが現在でも多くのトレーダーが本書を支持する理由ではないでしょうか。

リバモアは主に株式と先物のトレードで名を馳せた人物ですが、収益を上げ続けるために必要な考え方という点において、オプショントレードにも大いに共通するものがあります。

読む度に、そして経験を積むほどに新しい発見がある本書。
私は今でも月に一度はこの本を読み、「トレーダーとして正しい行動が取れているか?」「誤った考え方をしていないか?」といった自問を行うようにしています。

ちなみにリバモアに関しては『世紀の相場師ジェシー・リバモア』という本もありますが、内容がほぼ重複していて質の面でも劣るため、こちらは読む必要はありません。 本書一冊で十分です。


何年経っても色あせない、トップトレーダー達の“エッセンス”

マーケットの魔術師

おすすめ度 ★★★★★

この本が書かれたのは1989年。 株価の大暴落で有名な“ブラックマンデー”の2年後であり、今から約20年前のことになります。

しかし、その内容は今読んでも全く古臭さを感じず、むしろ現在のマーケットについて新しい発見が得られることさえあります。 その理由は、あるトレーダーの言葉を借りるなら、「マーケットは今も昔も変わらない。 それが変わり続けているという点で」ということなのだと思います。

この本には、トレードによって数億円から数千億円の利益を稼ぎ出したトップトレーダー達のインタビューが収録されています。 ジム・ロジャーズ(冒険的投資家)、リチャード・デニス(“タートルズ”の生みの親)、ウィリアム・オニール(CANSLIM投資法の考案者)といった、日本でも名の知れたトレーダーが数多く登場します。(ジム・ロジャーズだけは少し例外的であり、彼は自分がトレーダーではなく投資家であると主張しています)

トレードを上手くやるには、すでに上手くやっているトレーダーから話を聞くのが一番です。
本書と合わせて、バン・タープ著の「魔術師たちの心理学」を読んでおくと、トップトレーダー達の言っていることがより深く理解できるでしょう。 「魔術師たちの心理学」はトップトレーダーの成功要素をモデル化したものであるため、内容に矛盾がないのは当然とも言えます。

また、オプショントレードについてのインタビューも掲載されているので、これからオプションを始めようとしている方は大きな刺激を受けるはずです。

古くて新しい、普遍的なノウハウが詰まった一冊です。


オプションの売買戦略を身につけるための入門書

カプランのオプション売買戦略

おすすめ度 ★★★★☆

オプション戦略について書かれた本を3番目に紹介することには意味があります。

オプショントレードで大切なものは何かを議論するとき、必ず3つのことが話題にあがります。
それはシステム、リスク管理、そして心理的側面です。 オプションの売買戦略は「システム」に含まれる要素であり、大部分の人はこれを真っ先に学ぼうとします。(私もここから入りました)

しかし、もし今の知識を持ったままトレーダーとして再出発できるなら、私は最初にトレードの心理学を学びます。 2番目にリスク管理。 そして、売買戦略(システム)は3番目になると思います。

トレードの心理的側面やリスク管理は、長期的に勝ち続けるトレーダーになるための土台とも言えるものです。 これらを身につけて初めて、売買システムは機能するからです。

「カプランのオプション売買戦略」は、実際のトレードで利益を出すためのノウハウに的を絞った、言わばオプショントレーダーのための実践書です。 具体的な取引方法についての解説がメインで、ギリシャ文字や数式といった理論的な部分は最小限に抑えられています。

それでいて、広範なオプション戦略をカバーしており、「どんな戦略がどういう時に機能するのか?」という実践的な疑問に答えてくれます。 また、ボラティリティ・トレードについての詳細な説明もあるので、オプションの基本を理解するには最適の一冊だと考えます。

ただ残念なのは、日本語の翻訳がお世辞にも読みやすいとはいえない点。 これが内容を難しく感じさせているように思えます。 また、価格が約8,000円(Kindle版は6,000円)とやや高めです。 今はオプションの書籍も増えているので、他に自分が読みやすいと感じる本で勉強しても良いと思います。

オプションの基本的な売買戦略やボラティリティについて理解する上で、一番間違いのない入門書といえるでしょう。


米国のオプショントレーダーから学ぶ

新マーケットの魔術師

おすすめ度 ★★★★☆


「マーケットの魔術師」の続編で、主に90年代前半に行われたトップトレーダー達のインタビュー集です。

90年以降、米国のオプション市場が急速に拡大したため、前著に比べてオプショントレーダーのインタビューが増えています。 トレーダーの話はどれも素晴らしいですが、中でもオプショントレードで莫大な利益をあげているブレアー・ハル氏のインタビューが面白いです。

彼はオプショントレードを始める前、ブラックジャックのプロチームに所属しており、ラスベガスのブラックジャックで継続的に利益を上げていました。 決してイカサマはせず、「適切な戦略とマネー・マネジメント」だけで、実質的にカジノを打ち負かしていたそうです。

当然、カジノにとって好ましい客ではなかったため、彼はすぐにカジノへの出入りが禁止されてしまいます。 しかし、ブラックジャックでカジノを打ち負かしたのと同じやり方で、オプショントレードでも利益が出せることに彼は気づきました。 それはつまり、「長期的にプラスの期待値を持つ戦略を使い、適切なマネー・マネジメントを用いる」ことです。

彼曰く、「マーケットではどれだけ稼いでも誰も文句を言わないし、出入り禁止にもならない」とのこと。 このブレアー・ハル氏の章だけでも、オプショントレーダーにとっては一読の価値がある本です。

全体的にはトレードの実務に関する話も多く、米国市場での取引経験がない方は途中で退屈してしまうかもしれません。 しかし随所に見られる“成功のエッセンス”は、あらゆるトレーダーにとって貴重な教訓になるはずです。


<投資全般に役立つ書籍>

経済的自由を実現するための実践書

魔術師たちの投資術

おすすめ度 ★★★★★

「魔術師たちの心理学」の著者であるバン・K・タープ博士による書籍で、普通の人が安全かつ具体的なステップで経済的自由を得るための方法を伝授しています。

パーソナル・ファイナンスの分野ではロバート・キヨサキ氏の「金持ち父さんシリーズ」が有名ですが、より具体的な資産管理テクニックを知るには本書の方が適しています。

株、債券、金、不動産などの投資先に、いつ、どのように投資すべきかを教えてくれる簡単なモデルが紹介されており、投資の長期的な計画を立てるのに役立ちます。

またインフレやデフレ、為替変動、金利のサイクルなどについても分かりやすく解説されており、マクロ経済の変化に柔軟に対応しながら資産形成をするノウハウが身につきます。 オプションは投資対象の一つですが、まずはあらゆる分野の投資先について学び、自分の目標達成に最も適した方法で投資を行うことが重要だと考えます。

この本を読んだ後には、経済的自立は決して夢のような話ではなく、手の届くところにあるということが実感できると思います。


「頭のレバレッジ」で経済的自由を手に入れる

金持ち父さん

おすすめ度 ★★★★★

ロバート・キヨサキ氏による「金持ち父さんシリーズ」の一つ。 キヨサキ氏の本は数多く出版されていますが、個人的には本書がベストだと考えます。

この本の良いところは、キヨサキ氏が成功するまでの過程で経験した困難や失敗、心理的葛藤などが率直に書かれている点です。

過去の辛い失敗から、彼は目標達成に最も必要なものが「考え方」であることに気づきます。
失敗とは心の一時的な状態に過ぎず、考え方を改めることによって成功は身近なものになる。 このことを「頭の中のレバレッジ」と彼は呼んでいます。

経済的自立の達成には人の心理的側面が重要であるというテーマは、タープ博士の「魔術師たちの心理学」とも共通しています。 つまり、どうやって投資するか(=システム)よりも、どのような心理状態で投資に臨むかが重要であるということです。

キヨサキ氏は、考え方の習慣を変えることが出来れば誰でもお金持ちになれるということを本書で強調しています。

また本書の後半部分では、レバレッジを使った投資について書かれており、オプションの有効性についての説明があります。 「金持ちは取引を終了したときではなく、開始したときに利益を得る」という著者の言葉は、カプラン氏の「売買の優位性」にも通じるところがあります。

本書と前述の「魔術師たちの投資術」を合わせて読むことで、経済的自立のための確かな行動を始められるようになります。