2008年 日本のオプション市場の取引状況

  • 日経225オプションの取引高が過去最高を記録

大証の日経225オプションの取引高は年間で3,212万6,060枚となり、2007年の取引高(2,918万枚)から10.1%増加し、過去最高の取引高を記録しました。
一日平均では13万1,127枚の取引高がありました。

イブニングセッションのオプション取引高が堅調に推移しており、2007年10月の時点ではイブニングセッションの取引高が日中比で2%程度だったのに対し、2008年12月には日中比で6.4%まで取引が増えています。

  • TOPIXオプションの取引高が増加するも、日経225オプションへの一極集中は変わらず

東証のTOPIXオプションは年間で62,045枚を記録し、前年比で3倍以上の増加となりました。 しかし、それでも一日平均では253枚の取引高しかなく、依然として十分な流動性があるとは言えません。
また大証の日経300オプションにおいては、年間の取引高がついに0枚(前年は160枚)となり、市場としては完全に消滅してしまいました。
日本の指数オプション市場では、日経225オプションの「一人勝ち状態」が続いています。

  • 長期国債先物オプションの取引高は前年比12.9%減

東証に上場されている長期国債先物オプションの取引高は、前年比12.9%減となる244万2,598枚(一日平均9,970枚)でした。
国債市場では、先物の取引高も前年比21.4%減と落ち込みました。

  • 株券オプション(証券オプション)の取引高は微増

大証の株券オプション(個別証券オプション)の取引高は、前年比20.4%増の534,954枚(一日平均2,183枚)。 東証の証券オプション取引高は、同39.3%減の88,256枚(一日平均360枚)でした。
二つの取引所を合わせると、一日平均の株券オプション取引高は2,543枚となり、前年に比べて100枚程度の増加になりました。

大証は2008年5月より、「ETFオプション」と「REITオプション」の取引をスタートし、個別株のオプションと合わせた「個別証券オプション」の市場を創設しました。 しかし、オプションの取引高はそれほど増加せず、2004年~2005年のピーク時に比べると半分以下の水準にとどまっています。

  • ユーロ円3ヵ月金利先物オプションは取引が急減

東京金融取引所で取引されているユーロ円3ヵ月金利先物オプションの取引高は、一日平均で5,108枚となり、前年比で65.8%の減少となりました。
同取引所では、外国為替証拠金取引の「くりっく365」が過去最高の取引高を記録する一方、金利市場の取引は前年に比べて大きく落ち込んでいます。

以上、2008年の日本のオプション市場を簡単にまとめました。
世界の株式市場が暴落した2008年10月には、日経225オプションの取引高が過去最高を記録しました。 しかし、11月以降は急速に取引が減少し、12月のオプション取引高は10月の半分以下にまで落ち込んでいます。 今年は日経225オプションの取引高も前年割れする可能性が高いでしょう。

昨年はオプションの新商品が多く上場され、日本のオプション市場もようやくスタートラインに立った感があります。 そこに、世界的な金融・経済危機という大きな逆風が吹きました。
大証や東証を中心に新市場の開拓が進められていますが、本格的なオプション市場が日本でスタートするためには、「世界経済の回復」という前提が不可欠になると思います。

<参照> 大阪証券取引所:平成20年(年間)の売買状況(PDF)
東京証券取引所:先物・オプション商品の2008年の取引高
東京金融取引所:2008年出来高