通貨先物オプションが示すBrexit(英国の脱EU)の影響

英国で6月23日に実施される欧州連合(EU)からの離脱の是非を問う国民投票に向けて、通貨先物オプションの動きが活発になっています。

CMEグループで取引されている英ポンド/米ドルの先物オプションは、コールに比べてプットのインプライド・ボラティリティ(IV)が大幅に高まっています。(参照:CMEグループのレポート

このことは、英国の国民投票で「離脱派」が勝利した場合に備えて、トレーダーの多くが英ポンドの下落に備えていることを示唆します。その一方で、離脱派が勝利した場合のユーロの下落や、逆に残留派が勝利した場合の英ポンドの反動は十分に織り込まれておらず、これらの影響を受けるオプションは比較的割安に取引されています。

現時点では、オプション市場の多数派がBrexitを現実的に捉え、その影響で英ポンドが下落すると見ている一方で、ユーロへの影響は軽微であると予想していることが伺えます。6月23日の国民投票が近づくにつれて、こうしたIVの不均衡は修正されていく可能性もあります。通貨先物オプションのIVは、今後もBrexitの行方を占う上での注目点になるでしょう。