日米の“恐怖指数”を比較

米国の株式市場には、投資家の恐怖心を示すといわれる「VIX指数」という指標があります。 これはS&P 500オプション(SPX)から得られるインプライド・ボラティリティの平均値から算出される指標ですが、日本にはこういった指標がありません。

しかし日経225オプションのインプライド・ボラティリティから平均値を算出することで、VIXと同じ形式の指標を得ることができます。
これは日本版の恐怖指数として、投資家の心理を読み取るのに役立ちます。
(参考:日経225オプション ボラティリティ・チャート

下記のグラフは、過去1年間の日本と米国における“恐怖指数”の変化を比較したものです。

<日米の“恐怖指数”の比較グラフ>
日米の恐怖指数を比較

変動幅に差はあるものの、動きに関しては驚くほどシンクロしています。

過去1年で指数が最も上昇したのは、サブプライム・ローン問題によって株価が急落した2007年8月です。 米国では8月16日に最高値の30.8%、日本では翌日の8月17日に最高値の38.9%を付けました。(ともに終値ベース)

<2007年8月 株価指数の下落と恐怖指数の変動>

S&P 500
直近の高値
からの下落率

VIXの
上昇幅

日経225
直近の高値
からの下落率

日経225IVの
上昇幅

5.9%

9.4%

11%

18%

株価の下落率を考慮すると、日本の恐怖指数は米国のVIXとほぼ同じ割合で変動していることが分かります。

全体的に日本の恐怖指数の方が高く推移しているのは、過去1年の日本の株価下落率が米国に比べて大きいというのが一番の理由のようです。

日本の株式市場は海外市場の動きに影響されやすい「敏感相場」と言われますが、投資家心理の面でも米国市場の影響を強く受けている状況が伺えます。