証券オプション市場と先物オプション市場

米国のオプション市場には、大きく分けて次の2種類の市場があります。

1.証券オプション市場
  • 株券オプション
  • 株価指数オプション
  • ETFオプション
  • LEAPS
2.先物オプション市場
  • 株価指数先物オプション
  • 商品先物オプション
  • 通貨先物オプション
  • 国債先物オプション
  • 金利先物オプション

証券オプションは証券ブローカーを通じて、先物オプションは先物ブローカーを通じて取引することができます。 (一部のオンライン・ブローカーでは、証券オプションと先物オプションの両方を取引することも可能です)
これらのオプションの特徴や違いをよく理解し、自分の投資目的に合ったオプションを取引すると良いでしょう。

1.トレード戦略の違い

株券オプションやETFオプションなどは、実体のある「物」がオプションの原資産となります。
そのため、原資産の株やETFを保有しながら、補助的な投資ツールとしてオプションを利用することができます。
カバード・コール」などの戦略は典型的な例といえます。

現物株によってオプションの売りが「カバー」されれば、 証拠金無しでオプションを売ることもできます。 (オプションのネイキッド売りを行わない場合は、$2,000ドル程度の当初資金で口座開設ができます。)
米国市場には、Google、ディズニー、ノキア(フィンランド)といった世界的に有名な企業の株式が数多く上場しています。 これらの株式を保有しながら、オプションによってさらなる利益機会を得ることができます。

また証券オプション市場には、LEAPSというユニークなオプションが上場しています。
LEAPSとは9ヶ月以上の満期を持つ証券オプションのことで、投資家はLEAPSを取引することにより、通常のオプションとは異なる長期的な売買戦略を用いることもできます。

以上が、米国の証券オプション市場ならではの特徴といえます。

2.レバレッジの違い

一方、米国の先物オプション市場では、先物市場の「レバレッジ」により、比較的少ない資金で取引を行うことができます
これは扱い方を間違えると大きなリスクにもなりますが、「資金を効率的に使って取引したい」というトレーダーには有利に働く特徴です。

また先物オプションには、取引単位が小さいものから大きいものまで様々なオプションがあります。
トレーダーはT-Note先物オプションや砂糖先物オプションといった小さな市場から取引を始めて、次第に原油先物オプションやS&P 500先物オプションなどの大きな市場に移ることもできます。
「わらしべ長者」のように、最初は小さな取引から始めて、資金が増えるにつれて大きな市場で取引できるようになるというのは面白い仕組みだと思います。

このような市場の多様性、そしてレバレッジによる資金効率という点が、米国の先物オプション市場の特徴といえます。

■ どちらの市場で取引すべき?

一言でまとめてしまうと、長期的な視点で取引するなら証券オプション、短期的な取引を多く行うなら先物オプションが適しているといえます。

証券オプション市場ではリスクを限定しながら取引を行うことができるので、オプションを初めて取引する方や、長期的にリスクを抑えて取引したいという方にも向いています。

一方、先物オプション市場においては短期的な売買(数週間から2ヶ月程度)が多くなります。 また原資産の「先物」にも保有期限があるため、原資産を長期的に保有しながらオプションを取引する、といった戦略もあまり有効ではありません。
先物オプションは、純粋なオプショントレードによって利益を得たいという方、また資金を効率良く使って活発に売買を行いたいという方に向いています。

以上、かなり大雑把に分類しましたが、どちらか一方しか取引できないわけではありません。
筆者のように、LEAPSも取引するし先物オプションも取引する、というトレーダーが米国市場にはたくさんいます。

取引に使える資金量や、長期的な投資目標などもよく検討した上で、自分の目的に合った市場で取引を行うことをおすすめします。