オプションの長期トレード   (2004年9月16日)


LEAPSとは何ぞや?

一般にオプションは、短期間での売買がメインとなります。 しかし、オプションでも長期的なトレードが出来るということは意外に知られていません。

米国の株券オプションには、LEAPS(Long-term Equity AnticiPation Securities)と呼ばれるものがあります。
これは何かというと、基本的には普通のオプションと全く同じです。
ただ、満期までの残存日数が9ヶ月以上あるオプションのことを、LEAPSと呼んで区別しているだけです。

米国の株券オプションは活発な取引が行われており、2200以上の企業の株券オプションが取引可能です。
そして、その中でLEAPSが売買できる株券オプションも500種類以上あります。
マクドナルド、GM、マイクロソフトといった日本でも有名な米国企業の株は、ほとんどがLEAPSの売買対象だと考えてよいでしょう。

トレーダーの間口を広げるLEAPS

一般的なオプション取引では、短くて数日間、長くても3ヶ月くらいの期間で売買を行います。
このように短い期間で利益を上げるためには、オプションの仕組みについて完全に理解し、売買戦略やリスクを考慮するなど、ある程度の知識を身につける必要があります。
そのため、取引に時間を割くことができない投資家にとって、オプションは敷居の高い投資商品と思われがちです。

しかし、LEAPSの取引においては、難しい知識を身につけたり、取引に多くの時間を費やしたりする必要はありません。
というのも、株式投資と同じような感覚で、今後成長が見込めそうな企業のLEAPSを取引すれば良いだけだからです。
具体的には、対象とする株のプット・オプション(満期まで1~2年)を売るという取引になります。
コール・オプションを買うという方法もありますが、プットの売りの方が高い確率で利益を得ることが出来ます。

通常の株式売買に比べてLEAPSが優れている点は、
  1. 投資資金がほとんどいらない。
  2. 株式投資よりも高い確率で利益になる。
  3. 実は株式投資よりもリスクが低い。
といったことが挙げられます。

あなどれない利益率

LEAPSは、「短期トレードでバリバリ儲けたい!」というトレーダー向きではありませんが、長期的に資金を増やすことが目的の場合、魅力的な投資対象となり得ます。
LEAPSを利用し、資金に対して年率50%以上の利益を得るということも、やり方によっては可能です。(相応のリスクはありますが)

なにより、ボラティリティだのデルタだのと言った、オプションのややこしい事を覚えなくても良いというのが魅力ではないでしょうか。
やるべきことは、「今後成長するかどうかは分からないけど、大きく下落することはないだろう」という株を選び、長期のプット・オプション(LEAPS)を売れば良いだけだからです。
万が一株価が大きく下落しても、その株を保有することになるだけなので、そこからまたカバード・コールを売るといった戦略を使うこともできます。

私自身、投資資金の一部をLEAPSで運用していることもあって、周りに投資信託を買うかどうか迷っている人がいると、代わりにLEAPSを奨めることがあります。
すると、(知人)「LEAPSって何?」という話になり、(私)「それはね、長期的なオプションで…」 (知人)「オプションって何?」 (私)「オプションというのはね、ある物を…」 と、延々と説明が続くことになります……。

オプション道場でオプションについて学んだ方であれば、LEAPSの取引は簡単に理解できるでしょう。
投資資金の運用先の一つとして、検討してみる価値はあると思います。


<参考>
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