エキゾチックオプション その2   (2004年11月15日)


バイナリーオプション

前回のコラムでは、エキゾチックオプションの1つであるバリアーオプションについて簡単に説明しました。
今回は、もう一つのエキゾチックオプション、「バイナリーオプション」について説明したいと思います。

バイナリー(Binary)とは、0か1か、2つに1つという意味です。
同じような意味の単語で、デジタル(Digital)というものがあり、バイナリーオプションは別名デジタルオプション(Digital Option)とも呼ばれています。

バイナリーオプションを一言で言うと、「満期日に大きな価値を持つか、または全く価値を持たないオプション」です。

キャッシュ・オア・ナッシング(Cash-or-nothing)と
アセット・オア・ナッシング(Asset-or-nothing)

バイナリーオプションの仲間には、キャッシュ・オア・ナッシング・オプションと、アセット・オア・ナッシング・オプションの2種類があります。

まず、キャッシュ・オア・ナッシング・オプションは、満期日にイン・ザ・マネーになった場合には固定された価値を持ち、満期日にオウト・オブ・ザ・マネーまたはアット・ザ・マネーだった場合は全く価値を持たないオプションです。
原資産の価格と満期日におけるオプションの価値を図で表すと、下図のようになります。
満期日におけるキャッシュ・オア・ナッシング・オプションの価値
キャッシュ・オア・ナッシング・オプション
オプションが満期日にイン・ザ・マネーになった場合のみ、あらかじめ決められた固定価値を持つ。
次に、アセット・オア・ナッシング・オプションは、満期日にイン・ザ・マネーになった場合には原資産と同じ価値を持ち、満期日にオウト・オブ・ザ・マネーまたはアット・ザ・マネーだった場合は全く価値を持たないオプションです。
原資産の価格と満期日におけるオプションの価値を図で表すと、下図のようになります。
満期日におけるアセット・オア・ナッシング・オプションの価値
アセット・オア・ナッシング・オプション
オプションが満期日にイン・ザ・マネーになった場合、その時点での原資産(Asset)の価格と同じ価値を持つ。
満期日にイン・ザ・マネーになっている場合に限り、オプションが非常に大きな価値を持つということが、バイナリーオプションの特徴です。

バリアーオプションと同様、バイナリーオプションは主に通貨市場で取引されています。
その他の市場(先物オプション、株価指数オプション等)では、まだバイナリーオプションを自由に取引できる環境にはなっていませんが、基本的な仕組みだけでも覚えておいて損はないと思います。
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