拡大する米国のオプション市場   (2005年10月5日)


成長率20%で拡大する巨大市場

米国のオプション市場は、すでに世界最大のオプション市場です。
そして、市場規模は今もなお急速に拡大し続けています。

米国のオプション産業協議会(OIC)によると、2005年7月に米国市場で取引されたオプションの総出来高は約1億1,280万枚にのぼり、前年同月非で21.7%の増加となっています。
オプションの月間出来高は2004年10月に1億枚を超え、以後10ヶ月連続で1億枚を超えています。

また、2005年の1月から7月までの総出来高は約8億870万枚。 2002年の年間出来高をすでに上回っており、2004年の同期間の出来高と比較しても18.3%の増加となっています。
世界最大のオプション市場は、今もなお年間20%前後の成長率で拡大しているのです。

なぜ今、米国のオプション市場がこれほど加熱しているのでしょうか?
いろいろな理由が言われていますが、第一にオンライントレードの普及が大きな要因となっています。
2001年に設立されたインターナショナル・セキュリティーズ取引所(ISE)は、取引が完全に電子化された最初のオプション取引所であり、オプションの取引環境を大きく改善しました。

環境の変化とともに、オプションに対する投資家の意識が変わってきたことも、オプション市場が拡大している要因の一つです。
オプション産業協議会(OIC)が過去に実施した調査によると、米国の投資家がオプションを“取引しない”理由は、「危険だと思うから」がトップでした。
しかし、2005年の調査では、「よく分からないから」が理由のトップに上がっており、投資家のオプションに対する意識が変化しているのが分かります。
危険だから取引したくないという誤解や偏見が薄らぎ、むしろ興味はあるが仕組みがよく分からない、といった前向きの考えが主流になってきているといえます。

オプションに対する意識の変化と、便利なオンライントレードの環境が相乗効果となり、個人投資家のオプションに対する関心はかつてないほど高まっています。
ブローカーや取引所の間では、すでに投資家を引き込むための競争が激化しており、オプションの取引環境や手数料体系などで差別化を打ち出すことが求められています。

米国市場のこれから

米国のオプション市場では、株券オプション、先物オプション、指数オプションといった様々なオプションを取引することができますが、今後ますます大きな市場となり、売買の選択肢や流動性がさらに増していくことは間違いありません。
そして、知識と経験をもったトレーダーがますます勝ち続けるような状況になると筆者は予想しています。

これから米国のオプション市場で取引を始める予定の方は、まず確実に知識を身に付け、少しずつトレードの経験を積んでいくことが大切です。
経験を積むといっても、資金を投じて実際にトレードを行うことだけが経験ではありません。
市場を分析し、相場動向を見ながらトレードの「シミュレート」をすることや、各種講座やセミナーに参加することでも知識を蓄えることができます。

米国オプションの実践的な売買ノウハウについては、オプション道場の会員サービスでも詳しく解説しています。 詳細は、こちらをご参考にしてください。

参考ソース
 Options Trader Magazine:2005年9月号
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